ワンポイント講座 No.3

しゃへい距離としてのデバイ長の導出方法

 デバイ長というのは,プラズマの性質を表す重要なパラメータの一つですが,色々な意味があります.その一つが,自発分極による電荷分離の距離で,講義ではこれでデバイ長の公式を説明しました.ただし,この説明は厳密ではありません.そこで,電界からの力と電子の圧力が釣り合っているという議論から,もう少し正確にデバイ長の公式を求めてみましょう.

 まず,平行平板電極内にプラズマを入れた状態を考えます.この時,電子には陽極に引きつけられる力と,圧力で陽極から離れようとする力が加わり,その釣り合いで,電子密度分布が決まります.


 ここで,pe(x) は電子圧力,n(x) は電子密度,E(x) は電界強度,S は断面積,h はプラズマの幅です.この式は,左辺が電子にかかる圧力,右辺が電界からの力です.

 両辺を S で割り,h を小さくすれば,差分を微分に置きかえられるので,次式が得られます.


これに,


の関係を代入すれば,


となります.この式の両辺をx で積分すると,


となります.これを電界の公式(ガウスの法則)に代入すると,


となります.これに,もう一回電界強度と電位の関係式,


を代入すると,


が得られます.これを解くと,


となります.ここで,

です.これがデバイ長の定義です.デバイ長は,電位 V が指数関数的に減少するときのスケールを示す長さなのです.指数関数 e-y は,y=1 を越えると急激に減少するので,電極からの距離 x がデバイ長以上離れると電位が急速に0に近づくことがわかります.これがデバイしゃへいです.

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